【カーコラム】よく聞く気筒って何?意外と知らないV型エンジンの話

スーパーカーの記事を書いていると、「V型エンジン」という単語が目に付きます。V8・V10・V12などの気筒数が多いと何が違うのでしょうか?気になったので調べてみることにしました。

意外と知らない?気筒数が多いと何がいいの?

V型エンジンとは、ピストンエンジンやピシトン機関とも呼ばれる熱機関の形式のレシプロエンジンの一つで、シリンダーを左右交互にV字に配置したエンジンのこと。シリンダーを水平に配置したエンジンは180°V型エンジンと呼ばれます。

V型エンジンは直列エンジンよりもコンパクトにする事が出来ます。V型エンジンは2本のシリンダー列があって、このシリンダー列のことをバンクといい、左右のバンク間の挟み角のことをバンク角といいます。

同じ排気量、気筒数のV型エンジンであっても、バンク角が違えば持続性・振動特性・エンジン音が大きく異なるそうです。

V型エンジンは自動車では、多気筒になりがちな大排気量エンジンに採用されることが多く、特にV型8気筒(V8)エンジンはアメリカで1930年代から現代にまで多く採用されています。

アメリカ車(アメ車)の代名詞ともいえる、ハイパフォーマンスなマッスルカー、CART(チャンプカー・ワールド・シリーズ)、インディーカー、NASCAR(ストックカーレースの総称)に代表されるアメリカのモータースポーツを語る上でV8エンジン抜きには語ることが出来ないのです。

シリンダーが増えると、最も大きなメリットは振動が少なくなること。エンジンが1回転するごとに何回燃焼するのかというと、シリンダーの数が増えるほど多くなります。

回転バランスが良いと、使用できる領域が拡大。4気筒だとアイドリングは700rpm(回転/分)ですが、8気筒や12気筒だと500rpmになります。

昔の高級車はシリンダー数が多かったそう。なぜなら燃焼が安定してなかったので多気筒にすることで振動を抑えることが出来るようにしていました。さらに1~2気筒ぐらいの調子が悪くても走行が出来るように多気筒にしているのが高級車の条件だったということもあります。

気筒数が増えると回転バランスが良くなり、滑らかで快適になりますが、エンジンが大型化してしまうのが難点。さらに運動するパーツが多くなりますのでフリクションも大きくなります。

エンジン音の面では、多気筒の方が高温で澄んだ音になるという傾向があります。エンジン単体で考えると、6気筒よりは8気筒、10気筒の方がエキサイティングなエンジン音を体感できると言えます。

V型12気筒(V12)はシリンダー配列が片バンクに6気筒ずつ合計12気筒です。自動車では、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンにも採用されています。

フェラーリやランボルギーニなどは専用設計ですが、片バンクを直列6気筒エンジンと共有したり、6気筒を2つ繋げた設計がなされているそうです。

フェラーリでは一時期、レーシングカーから乗用車まで生産されたすべての車種にV12エンジンを搭載。日本車ではトヨタGZG50型センチュリーが唯一の搭載車であったそうです。

現代のV型エンジン

V6エンジンやV8エンジンでも設計や製造技術の進歩や過給機のハイブリッド化などによって高出力化が可能になりました。V12エンジンはもともと高コストであり、サイズが大きいために生産効果が出ないエンジンでのありました。

21世紀に入ると燃費や二酸化炭素などによる温室効果ガス排出量の環境性能で劣るV12エンジンは搭載車種やグレードを減らしたり、開発や製造をやめたりするメーカーも現れています。

V12エンジンは現代になって絶滅したとも言われていますが、クラシックカーや古いスーパーカーにも搭載されていた時代の車が好きな方にはたまらないかもしれんせんね。

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